アッピアノス、重訳版『内乱史』第4巻

アッピアノス(著)
重訳版『内乱史』第4巻
――三頭派と共和派の死闘――


サイズ:A5/80頁
配布価格:1100円(コミックマーケット102での会場価格)/1300円+送料370円(BOOTHでの通販価格)
配布手段:コミックマーケット102にて配布。BOOTHでの通販(発送は2023年8月から)。
ローマ帝政期の歴史家アッピアノスが著した『ローマ史』の中の、紀元前133年のグラックス兄弟の改革からアウグストゥスによる帝政樹立までのいわゆる「内乱の1世紀」の出来事を記録した『内乱史』の英訳(ホレイス・ホワイト訳)からの重訳です。
今回訳出した第4巻では紀元前43年のオクタウィウス(オクタウィアヌス)、アントニウス、レピドゥスの三者による第二次三頭体制の成立と彼らによる公権剥奪による粛清、これらと同時並行で進んだカッシウスとブルートゥス率いる共和派による東方の掌握、そして三頭派と共和派の天下分け目の決戦となった紀元前42年のピリッポイの戦い(フィリッピの戦いとも)までを記述しています。また、英訳者がキケロの死に様に関する記述を様々な史料から抜粋した付録も訳出しました。ローマ史に興味がある方はもちろんのこと、ローマ史に限らず凡そ歴史好きであれば興味深く読める本となっております。
ちなみに本邦初訳です。
また、例によって例の如く検索や保存に便利な本文のpdfファイルをおまけとしてお付けします(会場、通販いずれも)。
試し読みはこちら(pdfファイルが別窓で開きます)(目次と本文の第1章)。


・目次
訳文についての覚え書き
『内乱史』第4巻
第1章 オクタウィウスとアントニウスの和解、そしてオクタウィウス、アントニウス、レピドゥスの新たな三人委員/兵士に約束されたイタリアの略奪/ローマでの恐るべき前兆
第2章 三人委員によって布告された公権剥奪/最初の虐殺/三人委員の都入り/公権剥奪の文書
第3章 三人委員が己の近親を公権剥奪者名簿に載せる/都での恐慌/密告者や刺客としての家内奴隷/苦しみと恐怖の光景/いくつかの注目に値する事例
第4章 護民官サルウィウスが宴席で殺される/アンナリスとトラニウスが息子に裏切られる/キケロの逃走と追跡/キケロが殺されて首と手が演壇に吊される/エグナティウス父子、バルブスとアルンティウス/リガリウス二兄弟/セプティミウスが妻に裏切られる/他の堕落した女たち/スタティウス、カピト、そしてウェトゥリヌス/奴隷と主人/興味深い偶然の一致/ウァルスとラルグスの事例/ルフスが家のために公権剥奪を受ける
第5章 財産のせいで公権剥奪を受けた子供たち/没収された財産の売却/婦人たちに課された税とホルテンシウスの娘が人前でぶった演説/三人委員が課税を緩める/兵士による乱暴狼藉
第6章 逃れた公権剥奪者の実例/レピドゥスの兄弟とアントニウスのおじが逃げ果せたこと/メッサラとビブルス/アキリウスとレントゥルス/アプレイウスとレギヌスの逃亡/オッピウスがどのようにして息子によって救われたか/メテッルス父子/マルクスとレスティオが奴隷に救われたこと/忠実な解放奴隷/ポンポニウスの大胆な行動/二人の逃亡者の奇妙な戦い/歴史家ウァッロがどのようにして助かったか/雄弁家ウィルギニウスがどのようにしてシキリアに逃げたか/マルクス・ロッリウスの奇妙な冒険/バルビヌスとレピドゥス/キケロの息子が逃げ延びて愛顧を取り戻す
第7章 属州での戦争/アフリカのコルニフィキウスとセクスティウス/プブリウス・シッティウスの冒険譚/ウティカでの戦い/アフリカでの戦争の終結
第8章 ブルートゥスとカッシウス/いかにしてカッシウスがシリアで挙兵したのか/カッシウスがエジプトから四個軍団を得る/カッシウスがドラベッラに向けて進軍する/カッシウスがラオディケイアを占領し、ドラベッラが殺される/オクタウィウスとアントニウスがアドリア海を越えつつあるとブルートゥスがカッシウスに知らせる/カッシウスがタルソスを占領する
第9章 カッシウスがロドスに降伏を勧告する/ロドス人が戦いを決意する/ロドス人がカッシウスへの使節としてアルケラオスを送り、アルケラオスが一席ぶつ/カッシウスの返答/カッシウスとロドス人の海戦とロドス艦隊の退却/カッシウスがロドス市を包囲する/ロドスが占領されて貢納を押し付けられる/アシアでの一〇年分の貢納取り立て
第10章 マケドニアのブルートゥス/ブルートゥスがクサントスに向けて進軍する/クサントスの破れかぶれの防戦/クサントス占領/クサントス人がこの都市と自らを滅ぼす/パタラ占領/ムルクスがアントニウスを封鎖するためにブルンドゥシウムへと航行する
第11章 ヒスパニアでのセクストゥス・ポンペイウスの行動/ポンペイウスがシキリアに向かう/ポンペイウスとサルウィディエヌスの海戦とサルウィディエヌスの敗走/オクタウィウスとアントニウスがアドリア海を渡る/オクタウィウスとアントニウスの先遣隊がピリッポイに進み、トラキアの山岳地の峠を占領する/ブルートゥスとカッシウスがピリッポイへと動く
第12章 ブルートゥスとカッシウスがメラス湾に到達する/カッシウスの共和派軍への演説/演説の後に共和派軍が敵に向かう
第13章 ティッリウス・キンベルが艦隊を率いて敵側面を脅かす/ブルートゥスとカッシウスが山脈に手間取る/トラキアの森での重労働/ブルートゥスとカッシウスがピリッポイに到達する/ブルートゥスとカッシウスが丘に陣取る
第14章 アントニウスがアンピポリスに到達し、ピリッポイへ猛進する/両軍の戦力、ブルートゥスとカッシウスが敵を飢えさせようと望む/アントニウスが戦いを強制しようとする/アントニウスがカッシウスの防塁を攻める/ブルートゥスがオクタウィウス軍を敗走させて野営地を占領し、アントニウスがカッシウス軍を敗走させ、カッシウスの野営地を占領し略奪する
第15章 カッシウスが自害する/ブルートゥスがカッシウスの遺体に涙する/アドリア海での海戦/アントニウス艦隊が壊滅する
第16章 ブルートゥスが軍に語りかける/アントニウスが兵士に向けた演説/アントニウスが敵に戦いを挑む/三頭陣営での物資の欠乏/ブルートゥスが戦いを渋り、ブルートゥスの兵が苛立つ/ブルートゥスの将官たちが戦いを訴える/ブルートゥスが渋々兵士たちに折れる/オクタウィウスとアントニウスが軍を激励する/戦いの前の前兆とピリッポイでの第二回戦/共和派の軍が敗走する 第17章 ブルートゥスが山地へと逃げる/ブルートゥスの将官たちが再戦を拒み、ブルートゥスが自殺する/ブルートゥスとカッシウスの人となり/彼らのカエサルへの罪、ブルートゥスの天幕に現れた死霊/若カトーの死/ポルキアの死/勝利の大きさ/勝利の長期的な結果
英訳者による付録

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