アッピアノス、重訳版『内乱史』第5巻

アッピアノス(著)
重訳版『内乱史』第5巻
――ペルシア戦争とシキリア戦争――


サイズ:A5/80頁
配布価格:1100円(コミックマーケット104での会場価格)/1300円+送料370円(BOOTHでの通販価格)
配布手段:コミックマーケット104にて配布。BOOTHでの通販(発送は2024年8月から)。
ローマ帝政期の歴史家アッピアノスが著した『ローマ史』の中の、紀元前133年のグラックス兄弟の改革からアウグストゥスによる帝政樹立までのいわゆる「内乱の1世紀」の出来事を記録した『内乱史』の英訳からの重訳です。
今回訳出した第5巻は全5巻中の最終巻で、紀元前42年のフィリッピの戦いの戦後処理からペルシア(ペルージャ)戦争、オクタウィウス(オクタウィアヌス)とセクストゥス・ポンペイウスのシキリア島周辺を舞台にした戦争、そして紀元前35年のセクストゥス・ポンペイウスの死までの出来事を記録しています。
この期間の出来事についてはさらっと流されることが多く、あまり端折らず突っ込んで解説している本はあまり多くないので、ローマ史に興味がある方はもちろんのこと、ローマ史に限らず凡そ歴史好きであれば興味深く読める本となっております。
ちなみに本邦初訳です。
また、例によって例の如く検索や保存に便利な本文のpdfファイルをおまけとしてお付けします(会場、通販いずれも)。
試し読みはこちら(pdfファイルが別窓で開きます)(目次と本文の冒頭3ページ)。


・目次
訳文についての覚え書き
『内乱史』第5巻
第1章 共和派の軍が散り散りになり、再集結した次第/戦いの後のオクタウィウスとアントニウス/アシアでのアントニウス、そして彼がエペソスで公衆を前に行った演説/一〇年分の租税の徴収と住民の落胆/アントニウスが東方属州を巡回する/アントニウスがキリキアでクレオパトラと会い、彼女の虜となる/アルシノエ殺害とパルミュラ攻撃の失敗/アントニウスがクレオパトラと会うためにエジプトに向かう
第2章 オクタウィウスがローマに帰還する/イタリア人の驚愕、財産没収と土地分配/ルキウス・アントニウスとの問題の始まりと兵士が働いた乱暴狼藉/乱暴狼藉の阻止にあたってのオクタウィウスの無力さ/ノニウスの殺害/不服従と職務放棄とそれらの原因
第3章 ローマでの飢餓/ルキウス・アントニウスが三人委員に反対する市民の主張を支持する/ルキウス・オクタウィウスの間の調停/新たな問題の発生/ルキウス・オクタウィウス間の戦争準備/今一度の調停が提案される/交渉が決裂する/セクストゥス・ポンペイウスの勢力拡大/アフリカ情勢/武力衝突の始まり/失敗に終わったルキウスへの使節派遣
第4章 戦争が勃発し、ルキウスが共和政再興の意向を宣言する/ルキウスがサルウィディエヌスを妨害しようとするも、アグリッパに防がれる/ルキウスの出撃が撃退される/ルキウスの副官たちの支援が失敗する/ペルシアでの飢餓/奴隷に食料が与えられなくなる/ルキウスが突破を試みる/ルキウスが決死の戦いの後に破れる/ルキウスが降伏を考え始める
第5章 ルキウスが兵士たちに降伏を告げる/オクタウィウスへの使節派遣/ルキウスがオクタウィウスを自ら訪ねる/ルキウスがオクタウィウスに話をし、無条件で降伏する/オクタウィウスの返答/両軍の兵士たちが互いを抱擁し合う/オクタウィウスが少数の指導者を除いてルキウスと全員を許す/ペルシアが火事で滅ぶ
第6章 アシニウス、プランクス、そしてウェンティディウスの軍/オクタウィウスがカレヌスの軍を掌握する/アントニウスの妻と母がアテナイで彼と合流する/オクタウィウスがアントニウスを疑い始める/この件についてオクタウィウスがルキウスと相談する/アントニウスがイタリアへと出航し、アドリア海でアヘノバルブスと会う/アントニウスがブルンドゥシウムに到着し、そこを包囲する/オクタウィウスがブルンドゥシウムへと進軍する/両軍の兵たちが親しく交わる/フルウィアの死
第7章 ルキウス・コッケイウスによるアントニウスとオクタウィウスの仲裁/コッケイウスとオクタウィウスの会談/コッケイウスがアントニウスの正直ぶりを論じる/オクタウィウスがアントニウスの母に手紙を書く/アントニウスとオクタウィウスの和解/彼らが世界を新たに分割する/アントニウスがオクタウィアと結婚する
第8章 セクストゥス・ポンペイウスが穀物供給を遮断してローマが飢餓に陥り、公共広場で暴動が起こる/オクタウィウスが群衆から石を投げられ、アントニウスによって救出される/セクストゥス・ポンペイウスとの交渉/セクストゥスがムルクスを処刑する/セクストゥスがプテオリに赴き、アントニウスとオクタウィウスと会談する/彼らが合意に至る/船上と岸での宴ローマでの大喜び/アントニウスが東方に戻る/アントニウスの越冬
第9章 セクストゥスとオクタウィウスの平和の崩壊/アントニウスがブルンドゥシウムに戻る/メノドロスの寝返り/メノドロスがサルディニアとコルシカをオクタウィウスに渡す/オクタウィウスがセクストゥスと開戦し、メノドロスとメネクラテスがクマエで海戦を行う/メノドロスが負傷し、メネクラテスが殺される/オクタウィウスの艦隊が敗れる/ポンペイウスの二度目の勝利/オクタウィウスが岸に流され山地に退く
第10章 シキリアの海峡での恐るべき嵐/オクタウィウス艦隊の壊滅/人命の多大な損失/オクタウィウスがウィボに退き、ポンペイウスが追撃をしなかったこと/オクタウィウスがアントニウスに救援を求める/アントニウスが三〇〇隻の船を引き連れて救援に赴く/オクタウィウスとアントニウスの会談/アントニウスがパルティア遠征に転じる/メノドロスがポンペイウスに寝返る
第11章 セクストゥス・ポンペイウスに対する新たな遠征/レピドゥスが艦隊をアフリカから連れてくる/別の嵐がオクタウィウス艦隊に被害を与え、遅延させる/セクストゥスがこれらの出来事による優位を活かし損なう/メノドロスが再び裏切る/メノドロスと彼の船がオクタウィウスに引き渡される/オクタウィウスの戦力配置/海でのレピドゥスの災難/アグリッパがヒエラ島を占領する/アグリッパがポンペイウス艦隊を攻撃して勝利を収める
第12章 オクタウィウスが海峡を渡ってタウロメニウムに降伏を要求する/オクタウィウスが陸海でポンペイウスによる急襲を受ける/オクタウィウスの艦隊が打撃を受けて四散し、コルニフィキウスがタウロメニウム近くの野営地に残る/オクタウィウスが沿岸に逃げ、陸軍を再集結させる/コルニフィキウスがシキリアを縦断する/コルニフィキウスの軍の恐るべき損害/コルニフィキウスの軍がアグリッパによって救い出される/オクタウィウスがシキリア北岸に足場を設ける/アイトネ山の噴火/ポンペイウスがオクタウィウスに海戦を挑み、これが受け入れられる/激しく長く続いた戦い/アグリッパが勝利を得て、ポンペイウスがメッサナに逃げる/ポンペイウスがシキリアを去り、レピドゥスがメッサナを略奪する
第13章 レピドゥスがシキリアを要求する/オクタウィウスがレピドゥスの兵に圧力を加える/レピドゥス陣営で衝突が起こり、レピドゥスが兵士から見放される/レピドゥスが指揮権を剥奪される/オクタウィウスがポンペイウスを追撃しなかったこと/軍内での騒擾/オクタウィウスによる騒擾の鎮圧、オクタウィウスが兵たちに褒美を与えてイタリアに帰還したこと/ローマでオクタウィウスに惜しみなく授けられた栄誉/オクタウィウスがレピドゥスの殺害を拒む/盗賊退治とオクタウィウスの終身護民官選出
第14章 セクストゥス・ポンペイウスがアントニウスのもとへと逃げ、アントニウスを支援するか、状況如何では彼に取って代わる計画を立ててアントニウスに使者を派遣する/アントニウスがポンペイウスにティティウスを差し向け、使節団の発言を聞く/ポンペイウスがパルティア人に送った使者をアントニウスが捕まえ、ポンペイウスの二枚舌交渉が発覚する/ポンペイウスがアントニウスの副官たちとの敵対行為を始める/アントニウスがポンペイウスに対抗する援軍を送り、ポンペイウスが友人たちに見捨てられる/夜戦/ポンペイウスがフルニウスに降伏を申し出るが、拒否される/ポンペイウスがティティウスへの降伏を拒み、アミュンタスによって捕らえられる/ポンペイウスがティティウスに引き渡され、処刑される

参考文献

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