アッピアノス(著) 『重訳版 内乱史』第2巻 ――カエサルの覇業―― サイズ:B6/112頁 配布価格:1200円(コミックマーケット100)/1400円+送料(BOOTH) 配布手段:コミックマーケット100、BOOTHにて配布 | |
ローマ帝政期の歴史家アッピアノスが著した『ローマ史』の中の、紀元前133年のグラックス兄弟の改革からアウグストゥスによる帝政樹立までのいわゆる「内乱の1世紀」の出来事を記録した『内乱史』の英訳(ホレイス・ホワイト訳)からの重訳です。今回訳出した第2巻はカティリーナの陰謀(紀元前63年)からカエサルの死(紀元前44年)までの約20年の出来事の記録です。本邦初訳。 さて、本巻で記述されているのはローマ社会を揺るがした陰謀事件であるカティリーナによる陰謀事件からカエサル・ポンペイウス・クラッススによる第一次三頭体制の樹立とその崩壊、カエサル派とポンペイウス・元老院派による地中海世界のほぼ全域を戦場とした内戦、そしてカエサル暗殺、ポスト・カエサルを見据えたアントニウス、レピドゥス、ブルートゥス、カッシウスといった政治家たちによる政治闘争を記すという、古代世界が激しく動揺した時代です。 ローマ史に興味がある方もローマ史に限らず歴史好きの方も興味深く読める本になっております。 また、例によって例の如く検索や保存に便利な本文のpdfファイルをおまけとしてお付けします(会場、通販いずれも)。 試し読みはこちら(pdfファイルが別窓で開きます)(目次と訳文についての覚え書き、カティリーナの陰謀について述べた第1章)。 ・目次 訳文についての覚え書き 『内乱史』第2巻 第1章 カティリーナの陰謀/キケロによる発覚/陰謀者たちが逮捕され処刑されたこと/ピストリアでの戦闘とカティリーナの死 第2章 ヒスパニアでのカエサル/カエサル、ポンペイウス、クラッススの三頭政治/カエサルの農地法/都で騒擾が起こり、カトーが公共広場からつまみ出される/ウェッティウス事件/カエサルによる騎士の懐柔と彼のガリア総督指名/カエサルがポンペイウスに娘を嫁がせる 第3章 クロディウスが裁判抜きで市民を処刑したとしてキケロを起訴する/キケロの亡命と帰国/カエサルのルッカでの会談と公共広場での流血沙汰/三頭が統治権を分割する/カエサルの娘の死とローマの政治生活の惨状/ポンペイウスとミロ/クロディウスの殺害/続いて起こった混乱/ポンペイウスの単独執政官就任と彼の反収賄法 第4章 収賄への訴訟/カエサルが不在中の執政官職への立候補を正当化する/マルケッルスの敵対行為、カエサルから指揮権を剥奪しようという諸々の試み/ポンペイウスも指揮権を放棄すべきだとクリオが訴える/元老院でのカエサルへの敵意の増大/ポンペイウスが戦争準備をなおざりにする/両執政官がイタリア防衛をポンペイウスに委ねる 第5章 カエサルがポンペイウスと同時に武力を放棄することを申し込む/元老院によるカエサルの公敵宣言、カエサルが兵士にかけた言葉/公然たる宣戦布告/カエサルのルビコン渡河とアリミヌム占領/イタリアでの混乱と予兆/ポンペイウスがカプアの軍の方へと出発する 第6章 カエサルがコルフィニウムとルキウス・ドミティウスを手中に収める/両執政官がデュッラキオンに渡海する/ポンペイウスがブルンドゥシウムでカエサルを振り切る/カエサルが国庫から資金を引き出す/カエサルがヒスパニアに進軍する/同地のポンペイウス軍を捕える 第7章 クリオのアフリカ遠征/クリオの敗死/プラケンティアのカエサル軍の反抗/カエサルの独裁官選出 第8章 ポンペイウスの戦力/ポンペイウスが軍に向けて行った演説/ブルンドゥシウムのカエサルの様子/彼が兵士に語り掛ける/カエサルのエペイロス渡航、オリコンとアポッロニアの占領/デュッラキオンへの進軍/デュッラキオン前での野営地設営 第9章 カエサルが小舟でアドリア海を渡ろうとする/援軍派遣、アントニウスが残りの軍と共に到着する/デュッラキオンでの小競り合い/カエサルがポンペイウスを包囲しようとする/デュッラキオンの戦いでカエサルが破れる 第10章 カエサルが兵を激励する/テッサリアへの進軍/ポンペイウスがパルサロスに陣を敷く/カエサルの食糧不足/ポンペイウスが遷延を望むも軍議にて却下される/会戦前の数々の超常現象/パルサロスの両軍/同盟軍と傭兵 第11章 両司令官の演説/戦闘準備/パルサロスの会戦/ポンペイウス軍の総崩れ/ポンペイウスの逃亡/両軍の損害 第12章 ポンペイウスがエジプトへ航行する/ポンペイウスが同地で殺害される/ポンペイウス派のアフリカへの撤退 第13章 カエサルのポンペイウス追討/小アジア通過/アレクサンドレイア戦争/パルナケスとの戦争/カエサル軍でのもう一つの反抗/カエサルが軍を要望通り除隊させる/彼らの懇願を受けて彼らを軍役に戻す 第14章 カエサルのアフリカ渡航/カエサルに対し用意された軍勢/タプススの戦い/ウティカでのカトー/カトーの自害/ユバとペトレイウスが刺し違える 第15章 カエサルの四度の凱旋式/カエサルがヒスパニアの若ポンペイウスに向けて進軍する/ムンダの戦い/若ポンペイウスの逃亡と死 第16章 カエサルへ捧げられた異例の栄誉/カエサルが親衛隊を解散する/カエサルが王位を手に入れようとしているという風評/アントニウスがルペルカリア祭でカエサルに冠を被せる/カエサルがパルティア人に対する遠征を計画する/カエサルの生命に対する陰謀/指導者ブルートゥスとカッシウス/他の共謀者たち/ブルートゥスがアントニウス殺害を防ぐ/カエサルが元老院に登院する/玄関口での凶兆/カエサルが殺害される 第17章 都での混乱/殺害者たちのカピトリウム占拠、ローマ社会の腐敗/共謀者たちが賄賂を配る/ブルートゥスとカッシウスがカピトリウムから下ってくる/アントニウスへの妥協の提案/アントニウスの応答 第18章 アントニウスが元老院を招集する/カエサル殺害に関する討論/狡猾なアントニウスが自制的な布告を提案する/これが拒絶される/レピドゥスの演説/アントニウスが元老院に語りかける/元老院が殺害者たちへの恩赦とカエサルの諸々の法の承認を議決する 第19章 ピソがカエサルの遺言状読み上げを呼びかける/ブルートゥスが人々に語りかける/彼の演説が賞賛を受ける 第20章 カエサルの遺言状の読み上げ/アントニウスの追悼演説/大衆が憤慨する/殺害者たちが都から逃亡する 第21章 カエサルとアレクサンドロスの比較 |